体感 -温熱環境の快適性-

人の温熱生理による体感

住居環境下で、人は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のほかに暑い、寒いといった、人間の温熱生理による体感を持っています。人間は、生体としての恒温生を保つために、体内で生産されたエネルギーを熱として周囲に放散します。この代謝のための熱量と放散熱量の違いによって、暑さや寒さを感じるのです。(図1)
そして住宅内の温度と湿度は、居住者の体感に大きく影響します。その点、木材には調温作用と調湿作用があり、快適な居住環境を形成します。住宅の内装や家具として木材が豊富に使われていると、室内の温・湿度変動は外周と比べて小さくなり、気候調節が行われることが分かっています。

人と環境の間との熱授受

木の湿度コントロール機能

また、住宅内の温度と湿度は、ダニやカビなど微生物の繁殖や居住者の健康に深く係わっています。住宅内において、相対湿度が常に高かったり、低かったり、あるいは著しく変動することは、人に対して望ましくありません。(図2)

住宅内での望ましい相対湿度範囲

実験室の内装面にスギとビニールクロスを貼って、室内の湿度変化を比べると、スギではその変動幅が小さく、湿度が一定に保たれる様子がわかります。湿度が高くなれば水分を吸収し、湿度が低くなれば水分を放出するという、木の湿度コントロール機能は、さながら天然のエアコンのようです。(図3)

室内の水蒸気量の変化